1)福祉推進員制度の趣旨
少子・高齢化の進行や家族形態の多様化、人間関係の希薄化など、私たちを取り巻く社会は大きく変化してきました。また私たちの地域には、一人暮らしの高齢者や身体が弱い高齢者、障がいがあり閉じこもりがちの方など、いろいろな方が住んでいます。
一方、社会福祉のしくみは近年与えられる福祉から「介護保険制度」等、自らが選択・契約する福祉へと方針転換され、周囲に気兼ねせずに福祉サービスを利用できるようになりました。
しかし福祉サービスだけでは不安や孤立感など、こころの問題までを解消することは難しいと言われています。それは、私たちがいきいきと生活するためには、地域の人々とのつながりや、社会に参加しているという一体感が必要だからです。このため身体の弱い高齢者等、援助が必要な世帯が孤立することがないよう、住民自らによる、ささえあい活動が重要になっています。
これらのことから「お互いにたすけあい、ささえあう福祉コミュニティ」を実現することを目指して、住民の会員組織である天童市社会福祉協議会が、各自治会に協力を依頼して始まったのが、天童市福祉推進員制度です。
2)福祉推進員の活動
福祉推進員は、推薦者である自治会長や福祉の相談役である民生児童委員、時には福祉関係機関とも連携しながら、つぎのような活動を実践します。
1.見守り、声かけ、話し相手
支援を必要とする高齢者や障がい者世帯等が、地域から孤立することを予防するため、見守り、声かけ、話し相手活動を行います。
2.安否の確認、緊急時の連絡通報
支援を必要とする高齢者や障がい者世帯等の安否の確認や、緊急時の連絡通報の手段の確保に努めます。
3.たすけあい、ささえあいの機運づくり
支援を必要とする高齢者や障がい者世帯等が、地域住民の協力を得られるようたすけあい、ささえあいの機運を高め、協力してくれる方を発掘します。
4.地域福祉事業等への参加・協力
自治会、地域社会福祉協議会(以下「地域社協」という。)等が実施する地域福
祉事業に参加、協力します。また、要援護者の避難支援活動にも可能な範囲で協力します。
5.その他、地域福祉の推進に関すること
担当区域の状況に応じて、地域福祉を推進するために必要な活動を行います。
3)福祉推進員活動の対象
福祉推進員の活動対象は、主に高齢者や障がい者があげられますが、ほとんどの方々は社会で元気に活躍されています。活動する際は自治会長や民生児童委員と充分に相談をした上で、必要とされる支援、可能な支援を行います。
例として・・・
ア.一人暮らしの高齢者世帯
※特に、外出の機会が少ない方、隣近所との交流がない方
イ.高齢者夫婦や高齢者だけの世帯
※特に身体的に不自由な方や、要支援、要介護状態にある方。
ウ.高齢者が日中、一人きりになる世帯
※家族との話し合いや、了解が必要です。
エ.身体に障がいがあったり、心身が虚弱な方。
※特に健康状態に不安を感じている方
オ.寝たきりの方、認知症の方
※話し相手や見守り等、福祉推進員として支援が可能な方
カ.その他、特に支援を必要とする方
4)福祉推進員の立場や担当区域
福祉推進員は、自治会長の推薦により天童市社会福祉協議会長から委嘱された地域福祉活動を実践するボランティアです。
担当区域の状況にもよりますが、一人あたり概ね50世帯程度を担当することとなっています。
5)福祉推進員の組織と任期
福祉推進員相互の研修や交流を行い、資質向上を図るための組織として、市立公民館区域毎に福祉推進員連絡会が結成されています。
具体的な活動は、福祉の専門職を招いての研修や福祉施設等の視察、各自治会の福祉活動の情報交換等です。福祉推進員連絡会は、該当地域の地域社会福祉協議会に組織され、地域社協と一体的に研修や福祉活動を行うこととしています。
福祉推進員の任期は2年間としていますが、再任することが可能です。